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ポリファーマシー(多剤併用)

ポリファーマシー(多剤併用)とはたくさんの種類のお薬を内服している状態であり、経済的負担の増加や、飲み忘れ、薬剤相互作用等、様々な問題が生じますが、そのなかでも重要なのは副作用の問題です。特に問題となるのは眠気と睡眠障害です。眠気は仕事等のパフォーマンスを低下させ、事故にもつながるので、就労者にとって特に重要であり、睡眠障害は眠気を悪化させるのみならず、原疾患を悪化させる可能性があります。抗うつ薬として多く使用されているセルトラリンの添付文書には1%以上に睡眠障害を認め、傾眠(眠気) 15.2%と記載があります。デュロキセチンに至っては睡眠障害1〜5%未満、傾眠(眠気) 24.3%と記載があります。実際の患者様をみるとそれ以上に、内服開始後に睡眠障害(主に中途覚醒)を自覚する方が多い印象です。睡眠障害改善のために、睡眠薬を併用もしくは増量すると、睡眠障害は改善するが、睡眠薬の副作用で眠気が強まるという悪循環に陥ることがあります。眠気(覚醒度の低下)はパフォーマンスの低下そのものであるため、特に就業中の方が、ポリファーマシーの問題を放置すると、パフォーマンスが低下したまま就業を継続することなります。

他院から転院される患者様の多くが、多剤を内服しており、薬剤の副作用によって、日中のパフォーマンスが低下しているのではないかと疑われることが多々あります。その際、必要な薬剤は残しつつ、薬剤の変更や減薬を徐々に実施すると眠気は大幅に改善していきます。

ポリファーマシー(多剤併用)によって当院で特に問題となる主な副作用

  • 抗うつ薬      

 眠気・睡眠障害

  • 抗精神病薬     

 眠気・薬剤性パーキンソニズム・アカシジア

  • 抗不安/睡眠薬 

 眠気・前向性健忘・筋弛緩(睡眠時無呼吸の悪化)

治療について

診療方針(心療内科・精神科)に基づき、患者様と相談しながら、必要な薬剤は残しつつ、薬剤の変更や減薬を徐々に実施します。

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